スマートフォンを用いたフィールド研究について

患者さんへ研究へのご協力のお願い
研究課題名:関節リウマチにおけるスマートフォンを用いたライフログの開発

1. 研究の目的
現在、関節リウマチや関節に障害のある方の状態把握は、関連学会で認められた機能評価法で行われています。また、関節リウマチの方の日常生活の状態把握には、「リウマチ日記」が用いられることがあります。しかしこれらは、少しの違いを客観的に判断するのには不向きで、また「リウマチ日記」は記入がやや煩雑であり、日常生活における日々の状態を簡単に正確に把握することは困難です。もし日々の状態をより簡単に正確に把握できるものがあればご自身でも結果をみて、自己判断して歩行の改善を目標にしたり、生活状態の把握をすることができます。
この研究は、通常の携帯電話と同じように持ち運びでき、歩き方や運動量、関節リウマチの状態や悪い関節の状態などを正確に、経時的に記録、解析、判断できる機器の開発をすることです。これが開発できれば、ご自分の歩き方や関節リウマチ、あるいは障害のある関節の状態をより詳しく知って、それらを日記のように記録し、判断できるようになると期待できます。

2. お願いしたいこと
今回の研究のために、患者さんに、歩行解析機能および患者さんの今いる位置を把握する機能(GPS機能)がついた携帯電話を持っていただきます。これを持ったまま歩行、移動をしていただくことで、日々の歩き方や移動距離などを測定することができます。また週に一度程度、携帯電話に表示される質問に答えることで、全身の関節の状態を把握することができます。これらのデータは、外部からのアクセスができないように暗号化された通信網を通じて京大病院内のサーバーに送られ、解析されます。またその結果は、ご自身も携帯電話で見ることができます。なお、この研究用携帯電話は、研究終了後、回収させていただきます。
この研究の結果は直接患者さん自身の診療に役立つものではありませんので、結果を逐一報告いたしませんが、要望があればご説明いたします。また、この研究で得られた患者さん個人の情報は、その個人が特定できる形では一切公表いたしません。またこの研究への参加はいつ何時でも患者さんが申し出ていただければやめることができます。この研究で個人の遺伝情報が他にもれる可能性は全くありません。
今回の研究結果から、関節リウマチや歩行障害のある方の歩行状態や病気の活動状態を簡単に把握できる携帯電話が開発できるかもしれません。ただし研究の成果により生じた知的財産権は患者さんには属さないことをご了承ください。また、データの提供に対して代価をお支払いすることもありません。また本研究の終了後も、患者さんのデータを保存し、将来新たに倫理委員会で認可された研究に使用してもよいと思われる場合は、同意書にその旨をチェックしていただけますようお願い申し上げます。新たな研究への使用を希望されない場合は、患者さんのデータを、本研究が終了しだい破棄いたします。

この研究について何か分からないことや心配なことがありましたら、いつでも担当医師にご相談下さい。

研究責任医師 京大病院リウマチセンター 准教授 伊藤 宣(TEL:075-751-3877)

説明文書(報道発表資料)

説明図(システム概観、体制と役割分担、画面例)