ご参加のお願い

コホートご参加のお願い

関節リウマチ(RA)は、わが国でも70-80万人の患者がかかっている一般的な病気(common disease)です。リウマチ患者さんは朝のこわばり、関節痛などの症状がありますが、治療が十分に行われないと骨の破壊が進行し、生活の質(QOL)に悪影響を与えます。同時に胸膜炎や血管炎、シェーグレン症候群など関節以外の症状も認められ、その症状は患者さんによって異なります。現在、関節リウマチに対して数多くの治療薬が発売され、すばらしい効果をあげていますが、同じ薬剤を使用しても有効である方とそうでない方がおられます。また薬による治療が充分効かず、整形外科的処置(手術、関節注射など)を受けられる方もいまだに少なくありません。

このように多様なリウマチ患者さんの傾向を把握して日常診療に役立てるためには診療のデータ化(コホート)が必要です。データを解析し、どのような患者さんにはどのような治療をするのが最もよいかを明らかにしていく必要があります。今までも、いくつかの大学やリウマチ内科施設を中心としたコホートがありましたが、関西には大規模なコホートが存在しませんでした。そこで今回、当センターを受診されているすべてのリウマチ患者さんの発症の仕方や生活歴・家族歴・治療歴、また関節リウマチに関する病気の活動具合(総合的活動性指標)や画像検査、また治療薬・手術とその反応性・副作用を記録してデータ化するKURAMA(Kyoto University Rheumatoid Arthritis Management Alliance)コホートを立ち上げます。また、このコホート登録を京大病院を受診されるすべてのRA患者さんに対して広げていく予定で、将来的には、広く関西地区の病院を受診されるリウマチ患者さんにも広げていくことを目指しています。今後このコホートの解析により、京都大学を中心とした関西のリウマチ患者さんの病気の特徴と診療内容、治療の結果、合併症の具合が明らかになり、さらに正確な診断、よりよい治療に結びつくことが期待されます。

当センター通院中のリウマチ患者さんには初診時および受診のたびに経過観察シートに記入していただきます。患者さんごとのデータは、一定期間ごとに患者さんご本人にまとめてお知らせする予定です。またまとまった全体のデータも患者さん向けにも集計して、お知らせする予定です。さらに年に1〜2回程度、さまざまな病気に関する質問をアンケートシートでお答えいただき、さまざまな検査をしていただく大規模な「リウマチ調査」を行います。この結果も、それぞれの患者さんごとにお知らせします。個人情報の管理は、法律および京大病院医の倫理委員会の指導のもと十分留意しますので、外部機関に漏れることはないとご安心ください。なお個人が同定されないよう統計学的な処理をしたコホートの成績を、学会などで発表させていただきますので、あらかじめご承知おきください。

われわれは、KURAMAコホートを関西地区で初めての内科・整形外科合同の大規模コホートにしたいと考えています。患者さんにはぜひこのコホートにご参加いただき、ご本人の治療に役立てるのはもちろんのこと、多くのリウマチ患者さんのためにデータ解析を進めさせていただきたいと思います。このコホートについて、お聞きになりたいことは遠慮なくセンターの主治医にお話しください。

ご協力どうぞよろしくお願いいたします。